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フェラーリを脆くした“あの男”の不在。 

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今宮純

今宮純Jun Imamiya

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posted2008/12/04 00:00

 コンストラクターズ・チャンピオンシップは最終戦でフェラーリが獲得したが、点数は172点と、新王者のL・ハミルトン同様に低い得点に終わった。 '07年のフェラーリ204点、'06年のルノー206点、'05年のルノー191点、'04年のフェラーリ262点と比べるとはっきり分かるだろう。

 今シーズン、フェラーリは8勝を挙げたが、表彰台を取り逃がすレースが5戦もあってポイントを伸ばせなかった。原因は3つ。開幕戦と中盤戦で発生したエンジン・トラブル、シンガポールGPなどで犯したピットワーク・ミス、雨のモナコやイギリスGPで苦戦を招いたウェットパフォーマンスの低下だ。

 信頼性では群を抜き、ピットワークでも常に迅速で正確だったはずのフェラーリが今年見せた「らしからぬ」脆さ。時々テストに参加したM・シューマッハはF2008マシンが「乗りづらくてナーバスな挙動だ」と指摘していた。昨年のF2007まではシューマッハが先行開発にかかわっていたが、今年からはK・ライコネンとF・マッサがF2008の開発を手がけている。僕は“シューマッハ基準”がなくなったことがチームとしての脆さに関係したのではないかと想像する。終盤戦は速さでも劣勢に回ったフェラーリ。来年への反省材料は少なくない。

 念願の1勝を果たして3位にランクインしたBMWだが、後半は失速、ルノーが一気にトヨタを追い越して4位で終えた。メーカー・チームの中で最も低予算で、開幕時にはホンダと同レベルにいたルノーが2勝するほどの力を発揮したのは驚くべきことだ。

 プライベート・チームの争いでも“逆転現象”が起きた。序盤リードしていたウイリアムズ・トヨタはレッドブル・ルノーに抜かれ、そのレッドブルは第2チーム格のトロロッソ・フェラーリに追い越された。5位のトヨタに17点差まで迫った旧ミナルディ・チームの進撃は今シーズンの展開にスパイシーな隠し味を加えた。14点でランク9位のホンダはF1参戦以来のワースト記録を塗りかえ、最下位フォースインディア・チームにも手を焼いて後半は0点行進を続けた。スーパーアグリ・ホンダが消えた年、HONDAパワーの快音はとうとうサーキットに鳴り響かなかった。

■関連コラム► ポスト・シューマッハー。 (2007年3月22日)
► シューマッハーが見せた魂のラストレース。 (2006年11月1日)

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