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金メダルに一番近い男と5人の"鬼"たちの物語。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byTamon Matsuzono
posted2004/06/17 00:00
猛禽類の眼――。2000年4月、17歳の北島康介が当時のエース・林享を破って日本選手権を制し、シドニー五輪へのキップを手に入れたとき、結果以上に著者の心を捉えたのが彼の眼だった。
「自分の欲しいものへひたすらに向かっていく眼。この眼を見たときに、彼は必ず頂点まで行く、だから追い続けたいと思ったんです」
そして、北島を育て上げたコーチの平井伯昌もまた、彼の眼に魅せられた人物だった。14歳の北島が持つ〈何者も恐れないというような光のある眼〉〈全身を眼にする感じ〉と出会い、彼を育てる決心をした。
だが、その後の道のりは平坦ではなかった。所属する東京スイミングセンターで、シドニー五輪へ向けての強化選手に北島を推薦した平井は、他の全スタッフの反対にあう。特に北島の問題点として指摘されたのが、身体の硬さだった。