プレミアリーグの時間BACK NUMBER
ハットトリックで歓喜の“F***”連呼。
ルーニー「2試合出場停止」の真相。
text by

山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byAFLO
posted2011/04/14 10:30

FAへの上訴の結果待ちの間に行なわれたCL準々決勝チェルシー戦1stレグで、決勝点を挙げたルーニー。貴重なアウェーゴールでもあり、準決勝進出に向けて大きな1点となった
出場停止直前の試合では、エースとして冷静にプレー。
ところがルーニーは、全く正反対の90分間を過ごした。
タックルで倒されても逆上はせず、自らのゴールは無言で祝い、時にはSBばりの位置で献身的に守備までこなしながら勝利を実現した。試合当日の気温が、イングランドでは初夏のように高かったこともあるが、プレーが中断する度に、タッチライン沿いでボトルの水を頭にかけてはピッチに戻っていくその姿は、努めて自制を意識しているかのようにさえ見受けられた。
史上最多となる通算19度目のリーグ優勝への逃げ切りを狙うマンUは、5月に優勝を争うアーセナルとチェルシーとの連戦を残している。その直前には、ルーニーの古巣エバートンとの厄介な一戦もある。だが、今回の処分でついに学んだと思わせるルーニーであれば、出場停止が解けた後の負けられない試合でも、冷静にエースとしての実力を発揮することができそうだ。
今季のマンUには、プレミアの栄冠に輝く結末が待ち受けているはずだ。こちらもやはり、ルーニーがルーニーであるが故に。
