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ファンの期待に応えるスターホースは何処?
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byKeiji Ishikawa
posted2008/05/15 00:00
皐月賞は、キャプテントゥーレ(牡 3歳、栗東・森秀行厩舎、父アグネスタキオン)が逃げ切りで優勝。マイナス18キロという馬体重で想像できるように、厩舎サイドは「ダービーのことなんか考えない。この一戦に向けてオツリのない仕上げで臨んだ」と、まさにしてやったりの表情。これにこたえて、思い切りよくハナに行った川田将雅騎手の騎乗も素晴らしかった。
観戦する目には、1コーナーを回ったあとでスローペースに落ち着いたのが見て取れたわけだが、他馬のジョッキーたちはスタート直後の川田騎手の派手なアクションに幻惑されて、「無理な逃げを打ったもの。どうせ潰れる」と思い込まされたというのだ。そうなれば、主導権を取った川田のアドバンテージが大きい。最後に急坂がある直線を残す時点で、「やっちゃった、と思った」と言うのも正しいペース感覚。余力をゴールまできっちり配分して、影をも踏ませない完璧な逃げ切りを収めてしまった。