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北京を目指すニッポンに立ちふさがる最大の敵。
text by
藤山健二Kenji Fujiyama
posted2005/10/27 00:00
周囲は早くも初冬の気配だ。11月からはいよいよスキーやスケートのW杯も始まる。日本のスポーツ界が、一気に来年2月にあるトリノ冬季五輪モードへと突入するが、その前に今年の夏季競技を総括しておきたい。
陸上、水泳、柔道、そしてレスリングなどメーン競技は世界選手権が行われ、アテネ五輪の勢いを引き継いだ日本勢が各種目で活躍した。3年後の北京五輪へ向けての展望は明るそうだが、油断はできない。なぜなら、開催国となる中国も着々と力をつけているからだ。
中国の脅威が一番如実に表れたのは、10月初めに行われたレスリングの世界選手権(ブダペスト)だった。日本の女子は7階級中4階級を制し、前回大会の金5には及ばなかったものの、メダルの総数では1つ増加と、アテネ五輪後も世界のトップに君臨していることを証明した。だが、同時にライバルの中国も金2、銀2、銅1と合計5個のメダルを獲得。直接日本と中国が対戦した5階級の成績は日本の3勝2敗だったものの、日本チームの首脳陣に笑顔はなかった。栄和人監督も「これからは危機感を持ってやらないといけない」と表情を引き締めるほど、中国の急成長は目を引いたからだ。