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五輪を契機にアマは現状からの脱却を。 

text by

前田衷

前田衷Makoto Maeda

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posted2004/08/26 00:00

 アテネ五輪たけなわだが、ボクシング・ファンは楽しめない。憂鬱な思いで五輪が終わるのを待っている関係者も少なくないのではなかろうか。

 日本からはL・フライ級の五十嵐俊幸(東京農業大学)1人のみ出場しているが、これは“ワイルド・カード”で手にした代表枠。パキスタン選手の欠場により代わって出場資格が転がり込んだものと聞く。五十嵐選手にはこの僥倖を精一杯生かしてもらいたいが、自力出場がゼロだったという事実は深刻に受け止めるべきである。3度のアジア予選でのべ24選手を送りながら、誰1人として出場資格を得られる決勝戦に残れなかったのはなぜか。アジア圏のボクシングの盛んな国からは、韓国7、タイ6、フィリピン4、新興の中国でさえ6名が出場しているのだから、日本の「自力出場ゼロ」は屈辱的である。東京五輪で桜井孝雄が日本人ボクサーとして最初で最後の五輪金メダルを手にしてから40周年の記念すべき年にこの体たらく。

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