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政治に翻弄される、
「地方競馬の優等生」。
text by
片山良三Ryozo Katayama
photograph byItaru Sato
posted2007/04/05 00:00
ピーク時には年間の売り上げ高を689億円にまで伸ばし、「地方競馬の優等生」と呼ばれたこともある岩手競馬(主催は岩手県競馬組合。管理者は増田寛也知事)が、存亡の危機に瀕しているという。「テレトラック」と名付けた場外馬券売り場を完備し、そこではJRAの馬券も併せて発売することも積極的に取り入れて、ファンのニーズに応えてきた。取材記者の評判もよく、「広報室がしっかりしている」というのが定評。メディアをうまく利用する賢さも備えていたはずだった。
'96年には市街地にあった旧盛岡競馬場を山間部に移設した。これは地方競馬では唯一の芝コースも備えた素晴らしい出来映えだったが、このときにかかった建設費の償還が、のちの景気後退の影響をモロに被って滞ったのが、今回の廃止騒ぎにつながったというのだから皮肉ではある。単年度赤字は'00年から続いており、同競馬組合は330億円の融資を受けないと今年度の競馬開催を維持できないところまで追い詰められていた。