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【動画】「メルボルンの練習が物足りず…」山口智規が実感している成長と“12分台”への青写真「リディアードの考えがさらに大事に」《インタビュー/前編》

2026/07/10
 数多くの名ランナーを輩出してきた名門・早稲田大学競走部の歴史においても、山口智規は傑出した存在だ。在学中に1500mと5000mで早大記録を更新、10000mとハーフマラソンでも歴代5傑に名前を連ねる。そして箱根駅伝では3年連続で花の2区を走り、キャプテンを担った最終学年では1時間5分47秒という早大記録を打ち立てた。
 そんな山口が特に強いこだわりを持つのが5000mだ。日本人にとって未到の12分台を出すために、さらにはロサンゼルス五輪で戦うためにどんな将来像を思い描いているのか。社会人1年目をスタートさせた期待の星に話を聞いた。《インタビューは前後編の2本立て。後編はこちら

 日本人にとって前人未到の5000m12分台へ。その機運が高まるなか、筆頭候補として名前が挙がるのが、社会人1年目・山口智規(SGホールディングス)だ。山口自身もきっぱりとこう言い切る。

「12分台というタイムに対する壁は全然感じていません。12分台を出すためのトレーニングをするだけ」

photograph by Yuki Suenaga
photograph by Yuki Suenaga

 早大で1500mからハーフまで高いレベルのパフォーマンスを見せてきた山口には、当然、多くの実業団から声がかかった。その中で進路先に選んだのがSGホールディングス。迷うことのない選択だったという。

「海外のレースや練習にどんどん参加していきたいと思っていて、自分が一番求めている環境を提示してくれるのがSGホールディングスでした。そこは一択でした」 

 山口は早大3年時、箱根駅伝終了後にオーストラリアに渡り、2カ月間ほど「メルボルン・トラッククラブ」でトレーニングを積んだ。メルボルンでの日々は大きなターニングポイントとなり、それまで持っていた陸上競技への価値観、そして向き合い方を根底から覆す体験にもなったという。

「12分台の選手と競技をすること、そして彼らの生活を見ることが、一番お手本になると思ったし、何よりもメルボルンでの生活も競技も楽しかったんです。強くなるためにというのはもちろんですけど、自分が楽しいところで競技をやりたいと思いました」

 そこから海外志向がグッと強くなり、実業団の中で「海外で練習したい」という気持ちを最も理解してくれたのがSGホールディングスだったというわけだ。

メルボルンでの練習が「物足りない」?

 今年の2月、3月にも山口はメルボルン・トラッククラブの練習に参加したが、そこには1年前とは明らかに違う自分がいた。

「(練習が)物足りないぐらいになってしまったんです。質の高い練習もだいぶできるようになりましたし、1年前はいっぱいいっぱいになってみんなに付いていたところ、今回は先頭を引いて走れるようになっていた。自分の成長を実感できました」

 メルボルン・トラッククラブには5000m12分台を持つジャック・レイナーや、13分01秒40のアイルランド記録保持者のブライアン・フェイといった山口よりも持ちタイムが速い選手が複数人いるが、臆することなく、練習では先頭を走ったのだ。

4月の金栗記念でもケニア人選手の前に出るシーンが photograph by Satoshi Wada
4月の金栗記念でもケニア人選手の前に出るシーンが photograph by Satoshi Wada

「花田さんと相談している」トレーニングの考え方

 インタビューは前後編の二本立て。前編では以下のようなトピックについて語ってくれた。

  • 「すべてが楽しかった」オーストラリアを拠点とする理由
  • 「そのオフは必要なのか」ロス五輪を見据えた思考とは?
  • 理想とする海外の選手「世界選手権5000mで4位だった…」
  • ピーキングをどう考える?
  • 「花田さんと相談している」トレーニングの考え方
  • 今後の成長のためには「リディアードの考えがさらに大事に」
  • 坂ダッシュを取り入れている理由
  • 「4年間慣れ親しんだ所沢」日本在住時は母校を拠点にする理由
  • 一人暮らしで感じる孤独「俺、人間なのかな」
  • 「ご飯を炊くのが上手くなった」当たり前の理由

 このインタビューは日本選手権の直前に行われ、「最後の仕上げで不安の残るようなコンディションになってしまった」と表情を曇らせていた。結局、日本選手権は欠場したが、山口が見据えているのは、来年の北京世界陸上、そして2年後のロサンゼルス五輪だ。

「そんなに競技人生は長くないと思っているんです。だからこそ、大きな目標がある限りは全力で走って行ければな、と」

 5000mを12分台で走ったとしても、山口にとってそこはゴールではなく、世界で戦うための通過点に過ぎないのだろう。

 前編、後編と合わせて約70分のロングインタビューには、「箱根駅伝から世界へ」を体現するような選手としての軌跡、そして柔軟な思考が詰まっている。ぜひご覧ください。

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photograph by Yuki Suenaga

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