NumberPREMIERでは「ガクセキ」の愛称で知られる学法石川を徹底解剖。エースで、この春に早稲田大学へ進学する増子陽太選手の動画インタビューも公開中だ。
昨年末の全国高校駅伝男子で初の日本一に輝いたのが福島・学法石川高校だ。ライバル校を寄せ付けず、2時間0分36秒の高校最高記録を打ち立てて雨中のレースを制した。生徒たちは全国制覇を目標に掲げ、実際に圧巻のレースを見せたにもかかわらず、松田和宏監督はレース前の意外な心境を教えてくれた。
「僕は優勝できると思っていなかった。増子にも言っていました。『3番ぐらいかな』って。仙台育英さんに伊那駅伝など主要な大会で勝ったことがなかったんです。メンバーも揃っていて、本当に強かったので、難しいかなと思っていました」
優勝候補筆頭に挙げられていた仙台育英は、5000m13分台ランナーを6人も擁しており選手層が厚く、終盤に勝負がもつれるほど向こうに分があると考えていたという。

もうひとつ、冒頭の松田監督の発言には、教え子たちが不必要に気負わないように、という配慮もあった。その脳裏には決して消えることのない10年前の記憶があったからだ。その年の学法石川高は、後に日本の中長距離界を席巻する選手がずらり。相澤晃(東洋大→旭化成)、遠藤日向(住友電工)、阿部弘輝(明大→住友電工)の13分台3人に、中距離で活躍する田母神一喜(中大→ⅢF)がいた。
しかし、この“ガクセキ最強世代”をもってしても、全国制覇は遠かった。都大路でうまく力を発揮できず7位に終わっていた。
「あの時は(選手たちが)優勝しようって意気込んでいたのですが、それがダメだった。今回はあまりプレッシャーをかけたくなかったので、選手たちの意気込みを大切にしようと思いました」

今季の学法石川は増子陽太、栗村凌というダブルエースが最終学年を迎え、全国制覇の好機といえた。それでも、この1年を通しても“全国優勝できる”という手応えを得たことはなかったという。
「ダブルエースが揃って走れていることがなかなかなかったんです。栗村が良い時は増子がダメで、増子が良かったら栗村がダメっていう感じでしたから。夏が過ぎた辺りから、ようやく2人が一緒にぐっと上がってきたんですけど、2人がケガしないように結構気を遣って練習を組んでいました。都大路の前もあまり追い込んだ練習はやっていないんです。選手たちはたぶん不安だったと思うんですけど、それでいいかなって思っていました」
この2人がチームの命運を握っていたのは事実だったが、松田監督は増子、栗村だけに期待を背負わせることはしなかった。結果的には、都大路で2人は揃って活躍。1区の増子が日本人最高記録をマークし好発進すると、3区の栗村も区間賞の走りで続き常にレースの主導権を握り、ライバル校から逃げ切った。
「増子たちが卒業してからは、今までの練習ではなく、また別のやり方で強くなって、連覇しようと話しています」
新シーズンは、全国連覇へ向けてさらなる進化を目論んでいる。

都大路、次なる目標は「2時間切り」?
動画では、以下のようなトピックについて触れている。
- 増子陽太の3年間をどう見ていたのか?
- 生徒が伸びるか否かはフリー練習にあり
- クロカンでフォームが整う理由
- シューズは「生徒のほうが詳しい」理由は?
- 厚底シューズが出る以前と以後の違い
- 「ユニフォームも評判良いんですよ」憧れのチームに
- 都大路、次なる目標は「2時間切り」?
- 「福島の皆さんは…」周囲の期待と次なる目標
- 相澤晃、山口智規…教え子たちの卒業後の活躍
- 自由度の高いスタイル、他とは違う指導法で連覇へ
柔和な表情で将来を見据える松田監督は「他のチームとは違った練習、やり方で強くなりたいなって常々思っているんです」とも語る。学法石川というチーム、そして福島の地で鍛えられたランナーたちの将来性が楽しみだ。(3月2日取材)

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