大学駅伝の監督や選手にインタビューするシリーズに、早稲田大学・山口智規選手が登場。4年生、そして駅伝主将となった今季、山口選手は躍動しています。転機となったという今年2月、3月に敢行したオーストラリア遠征のこと、注目される2人のルーキーをはじめ早稲田大学駅伝チームの現状、そして大学ラストイヤーにかける思いを語っていただきました。
6月上旬に開催された陸上・日本インカレで、山口選手は圧倒的な存在感を示しました。大会2日目の1500m決勝を見事なロングスパートで制すると、翌日の5000m決勝でも留学生のシャドラック・キップケメイ選手(日大)らを振り切って優勝し、二冠を達成しました。
今回の動画インタビューの収録を行ったのは、その日本インカレの約2週間前のこと。その言葉の数々は、その後の活躍を予感させるものでした。
5000m高校歴代3位(当時)の13分35秒16を引っ提げて伝統校の早大の門戸を叩いた山口選手は、大学2年時に頭角を現しました。箱根駅伝2区の早大記録を打ち立てると、クロスカントリー日本選手権では日本一のタイトルを獲得。そんな活躍を見せる一方で、「意外と外の声を気にしていた部分があります」と言い、3年時はエースとしての活躍が期待されながらも、なかなか自身の納得のいくパフォーマンスを見せられずにいました。
そんな山口選手の転機となったのが、今年2〜3月に実施したオーストラリア・メルボルン遠征でした。
「オーストラリアでの生活は、すごく自分に変化をくれた2カ月だったと思います」
競技に真剣に取り組みつつも、ひとたびグラウンドを離れると、私生活を存分に楽しむ現地オーストラリアのチームメイトたち。
「午前中が練習で、僕は午後も走ろうと思っていたのに、彼らは『午後は練習しない』と笑顔で言っていて、すごく楽しそうなんです。そういう選手も(5000mで)12分台を出している。おかしいなと思いながらも、すごく刺激になりました(笑)」
彼らの姿勢は、山口選手にはあまりにも新鮮に映ったようです。そして、こんな結論に至りました。
「日本における世界との差っていうのは、意外と精神的な差もあるのかな、と。自分たちが勝手に壁を作ってしまっているんじゃないかなと思いました。でも、日本には日本のやり方があると思うので、そこも尊重しつつ、自分のやり方を見出していければなと思います」

シーズンインこそケガや体調不良もあって出遅れましたが、「陸上の楽しさを取り戻した」とも話し、徐々に調子を上げて日本インカレの快挙につなげました。勢いそのままに、7月の日本選手権、そして駅伝シーズンも躍動してくれそうです。
動画では、以下のようなトピックについても話を伺いました。
- 負けず嫌いな自分が発する言葉
- 駅伝主将としての責任感
- 「陸上ロボット」にはならない発言の真意
- 今年の箱根駅伝2区の走りについて
- 鈴木琉胤と佐々木哲2人のルーキーの個性とは?
- 「名探偵」工藤慎作の存在感
- 今季際立つ選手の個性。早稲田の練習は●●通りある
- 箱根駅伝総合優勝を目指すために必要なこと
山口選手、決して言葉数が多いタイプではありません。その分、その発言はストレートで、聞き手の胸に迫るものがありました。駅伝主将の覚悟を感じる約35分のインタビュー、ご覧ください。 (5月21日取材)
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