「27分5秒で走ったからこそ、やっぱり難しいんだなっていう気持ちも正直あって。たった5秒じゃんって周りからは見えるかもしれないけど……」
27分05秒92。
2025年11月22日、八王子ロングディスタンスにて鈴木芽吹が樹立した10000m日本新記録のタイムだ。それまで塩尻和也の持っていた記録を4秒弱更新、社会人2年目ランナーのこの快挙は日本長距離界を大きく盛り上げた。

その鈴木に、日本人初の10000m「26分台」への距離感を聞くと、冒頭のように、手応えと困難さの双方が入り混じった正直な言葉が返ってきた。「26分台」への詳細な言及、そしてそれを達成するために今季やるべきことと日本国内のレースが抱える課題についてもポッドキャストで語ってくれている。
ニューイヤー前後から重なった「故障」
その快挙から1カ月半後、ニューイヤー駅伝ではエースが集う2区を走ったものの、本人が「あまりいい走りはできなかった」と振り返る通り、区間6位とやや不本意な結果に終わった。その後、いわゆる鍛錬期にあたる1、2月はどのように過ごしていたのか。
「八王子が終わって多少の疲れはあったんですけど、体が重いというようなことは全くなくて、なんかむしろ動きがいいというか、ずっと調子が良かったんです。でも、ニューイヤーに向けた合宿をやっていたら、やっぱりこう自分が感じていない疲れが溜まっていたのか、年末に左膝に違和感を覚えてしまって。
ニューイヤーをなんとか走ることはできたんですけど、その故障を庇っていたせいか、大会が終わってから逆の右膝が痛くなってしまい、1月はほとんど走ってないんです。膝の治療という意味と、昨年は4月の日本選手権10000mから、9月の東京世界陸上、そして11月の八王子まで、かなり突っ走ってきた部分があったので、その疲労を抜くという意識もありました」
ただ、すでに練習は再開しており、トラックシーズンに向けてしっかりとスピードを上げた練習もできており、故障に関してはもう不安はなさそうだ。
鈴木が日本新を出した時に履いていたスパイク、それはNIKEの「ドラゴンフライ 2」だ。
「大学時代、最初にドラゴンフライを履いた時は衝撃を受けたんです。すっごい進むな、と。高校時代からトラックが好きじゃないというか、むしろ嫌いで。それに伴ってスパイクも嫌いで(苦笑)。だから大学に入ってもまだ厚底がトラックでもOKだったんでヴェイパーフライで走ってたりしたんです。でもドラゴンフライ履いてみて、いやこれすごい、と。そこからもう何の不満も、違和感もなく、ずっと愛用しています」

そして4月の発売に先駆けて、いち早く試したNIKEのランニングシューズの代表的シリーズ、ペガサスの最新作「42」についてもこう語ってくれた。
「まだしっかり練習で履いたわけではないですけど、足を入れた瞬間に心地いいなって。なんて言うんですかね? アッパーなどのフィット感も、窮屈なわけでもないのに、しっかりホールド感もあって、とにかく履きやすいです」
この35分のポッドキャストでは以下のようなテーマについても話を聞いている。
- 10000mで最大のライバルは?「やっぱり旭化成の…」
- 故障で狂ったレース計画
- 「スピードの質」とは何か?
- 八王子LDでのコンディション
- 国内のレースで記録に挑むのは「限界がある」
- アジア大会は狙うのか
- シューズの履き分けで大切にしていること
人知れず故障に苦しんでいたという鈴木。だが取材で話を聞き、今シーズンどんな進化を見せ、どんなタイムを叩き出してくれるのか、ますます楽しみになった。
※ポッドキャストはNumberPREMIER会員限定で、ログインするとこのページ下部でご視聴いただけます。
プラン紹介
「雑誌+年額プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
「雑誌+年額プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
このシリーズの動画を見る
記事


