「新しいステップは上半身も使うし、エッジの使い方も難しくて自分にとってはハードだけど……。今年は苦手なステップを克服して、高橋大輔選手みたいに、大きな拍手をもらえるようになりたいですね」
10月27日午前、SPの練習で入念に繰り返していたステップについて質問されてこう答える安藤の表情は、どこか楽しげにさえ見えた。
その夜、激しく情熱的に舞う安藤のストレートステップには、客席から大きな拍手が沸いた。グランプリシリーズ開幕戦のスケートアメリカを見に来た観客は、新生・安藤美姫の試みを高く評価したのだ。
昨季の安藤はジャンプの失敗に苦しんだ。今季は自分のジャンプを取り戻そうと、子供の頃に指導を受けた門奈裕子コーチの下へ戻った。そこで4回転を封印。以前得意にしていた3回転+3回転ジャンプを完璧に決めることを今季の目標にし、体も絞り込んだ。さらに、トリノ五輪直前に荒川静香を指導しそのレベルを上げた振り付け師のニコライ・モロゾフ氏に師事、スピンやステップなどのレベルアップにも取り組んだ。
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