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【鹿児島の奇跡】破産の危機、スポンサーと自治体探し…“フラーゴラッド鹿児島”が3人でSVリーグに辿り着くまで「びっくりするでしょ。でもね…」

2026/10/18
昨季までホームゲームでも使用したフラゴラアリーナ日置入口周辺にはクラブの歴史を感じる貼り紙なども
何度存続の危機に直面したのだろうか。ゼロからの立ち上げ、なかなか自治体から協力を得られない日々、そして資金難。それでも小園代表とその同志たちは一つ一つ目の前の難局を乗り越え、鹿児島で紡ぐ物語は新章へと突入する。(原題:[別冊付録][クラブ創設秘話]5年で国内最高峰に辿り着いた“奇跡”と“軌跡”)

 ゆるやかな坂道の途中に、看板がある。

“フラーゴラッド鹿児島”

 バレーボールチームと知らなければ、小さな会社の事業場か事務所にしか見えない。

「びっくりするでしょ。でもね、これでも僕らには立派な城なんですよ」

 笑顔で明かすのは、フラーゴラッド鹿児島の代表、小園康夫。クラブを創設し、SVリーグ参戦へ押し上げた、まさに城主だ。

 鹿児島県の県庁所在地である鹿児島市ではなく、ホームタウンは人口約4万5000人の日置市。東京、大阪、愛知など大都市を拠点にするチームが多いSVリーグで、異色のチームは、いかにして誕生したのか。

クラブの原点とも言えるフラゴラアリーナ日置(日置市伊集院総合体育館) Kiichi Matsumoto
クラブの原点とも言えるフラゴラアリーナ日置(日置市伊集院総合体育館) Kiichi Matsumoto

 クラブの始まりは2020年7月、50歳になったその年、小園は鹿児島県の教員人生にピリオドを打った。自身もかつては「プロを目指した」という野球部の監督として頴娃(えい)高や川内商工高を率いた経験を軸に、退職後は野球の独立リーグを立ち上げようと考えたが、具体的に話を進めると、野球チームを設立するには教員時代の退職金では到底まかなえないことを知る。

 いつまでも無職のままではいられないから、と運送会社で働いていたが、コロナ禍で仕事は減り、街の活気もなくなっていく。野球がダメでも、スポーツで鹿児島を元気にできないか――。調べると、実は鹿児島のバレーボール人口が全国2位だと知った。

「初任校の同僚に聞いたら、トップリーグに参入しよう、とチャレンジしたことは何度もあるけれど、うまく行かずに進まなかった、と。せっかく人がいるのにこのままではもったいない。本腰入れて、バレーボールのチームをつくろう、と決めたんです」

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photograph by Kiichi Matsumoto

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