思い描いていたような結果が出たかと問われれば、イエスとは言えない。ただ、プロとして初めてフルシーズンを戦って得たものは非常に大きかった。瀬川琉久は胸を張ってそう言える。
「昨シーズンの収穫は“課題”です。本当に山ほど見つかったと思います」
2025年1月、東山高校3年時に千葉ジェッツに加わった瀬川は、185cmの上背と高いオフェンススキルを駆使して18歳とは思えないパフォーマンスを見せた。プロとしてフルシーズンを戦う次の2025-26シーズンには、果たしてどんな進化を見せてくれるのか。瀬川自身を含む誰もが大きな期待に胸を膨らませていた。
しかし、彼を待っていたのは世間で“2年目のジンクス”と取り沙汰される苦境の日々だった。
「ゲームコントロールの部分ですごく悩みました。高校までは自分がずっとチームの中心だったので、ある程度何をしても怒られないというか、周りに合わせてもらって何も考えずバスケをやってたんですけど、スター選手たちに自分が合わせないといけない立場になって、その時に、こう……なんて言うのかな、自分の良さを消してしまったと言いますか、自分が今までやってきたことをコート上で表現できなくなったんです」
「怒られるのが怖くて…」の真意
1年目は「ボールを持ったらとにかくリングを見ろ」と口酸っぱく言われた。ところが2年目は一転、「自分が空いていたとしてもパスをさばけ」と真逆のことを言われた。
首脳陣がこのシーズンを皮切りに、彼のゲームコントロール力の改善に本格的に着手し、PGとしてより独立した存在に育てようとしていたことは容易に想像できる。ただ、当の本人は大いに混乱した。なんせ小中とエースとして全国制覇を果たし、高校も1年時を除けばほぼ負け知らずというキャリアを歩んできた19歳は、自身のプレーを否定されたり制限されたりする経験をほとんどしてきていないからだ。
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