9月のシアトルはすっかり秋空。9年連続200安打の“イチロー狂騒曲”が一段落し、ポストシーズン進出も現実的に厳しくなってきた中旬から、次のような横断幕が連日ファンの手によって球場内に掲げられはじめた。
『もう1年やってくれ、ジュニア!』
『本当にありがとう、グリフィー』
地元のファンはケン・グリフィー・ジュニアの選手生活がいよいよ最後に近づいていることを悟っているのだ。今季マリナーズ復帰にあたって「僕はシアトルで育った。プロ生活をスタートさせたこの場所で現役の最後を締めくくりたい」と語ったグリフィー。全盛期にはほど遠い1年200万ドル+出来高で契約したことからも、シアトルを終焉の地として選んだ覚悟を窺い知ることができた。
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photograph by Yukihito Taguchi