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【リバプール】「守備の能力も数値化する」レッズを復活させた“ポゼッションバリュー”とは何か?《理論物理学者が解説》

2026/09/13
2019年は欧州王者に上りつめ、翌年にリーグ初優勝を果たしたレッズ。30年の苦境を脱した裏側には、これまで見落としてきたことに焦点を当てる科学者たちの英知があった。今に連なる強さの秘訣を当時の担当者が明かす。(原題:[物理学者の視点]リバプール「再興をもたらしたデータ革命」)

 データの後押しがなければ、これほどの投資は認められなかったに違いない。

 リバプールは2026-'27シーズンに向けて、20歳のジェレミー・ジャケをフランス1部のレンヌから最大6000万ポンド(約130億円)もの移籍金で獲得した。

 1998年W杯優勝メンバーのクリストフ・デュガリーはフランスのラジオ番組でこう揶揄した。

「レンヌはリバプールをカモにした。この金額は常軌を逸している」

 だが、リバプール側にカモにされた感覚は一切ないだろう。ここ6年で2度プレミアリーグを制している彼らは、独自の数理モデルで「お買い得」の選手を発掘してきたからだ。

 投資の判断にデータを使わないわけがない。BBCはチーム関係者を取材し、「データがこのタレントへの巨額投資の裏付けとなった」と報じた。

 これまでサッカーは「複雑系」と見なされ、データは役に立ちづらいと考えられてきた。しかし、それは迷信だったのだ。

今季から加入した21歳のジェレミー・ジャケはU-21フランス代表の有望株 Getty Images
今季から加入した21歳のジェレミー・ジャケはU-21フランス代表の有望株 Getty Images

ケンブリッジで理論物理学の博士号をとった担当者

 すべての始まりは、2010年10月のフェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)による買収だった。

 FSGはMLBのボストン・レッドソックスに選手の能力やチーム戦略を統計データで評価するセイバーメトリクスを導入し、'04年にワールドシリーズ優勝を果たした成功体験がある。いわゆるマネーボールだ。

 彼らは野球界の成功モデルをサッカーに応用できると考え、リバプールでもデータ部門を設立した。その担当者として採用されたのが、ケンブリッジ大学で理論物理学の博士号を取得したイアン・グラハムだった。

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photograph by Getty Images

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