#1137
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「緊張とどう向き合うか」フィギュアスケート・坂本花織が抱いた”最後”の課題とオリンピックへの決意「これが坂本花織だ、と世界に示すために」

「集大成」のシーズンは、決して順調ではなかった。緊張と重圧に何度も押し潰されそうになった。それでも全日本選手権で圧巻の演技を見せた女王は、現役最後の大舞台でどんな舞を披露するのか――。(原題:[ラストダンスへの決意]坂本花織「最後まで自分らしく」)

 坂本花織のプログラムの質と深み、それを体現する精神力の強さは、同じ舞台で競う選手たちこそ理解している。昨年末の全日本選手権フリーの演技を見守っていた中井亜美は、思わずこう口にした。

「強すぎる……」

 青木祐奈は、つぶやいた。

「すごいな」

 それは3度目のオリンピックに挑む坂本の、1つの到達点と言える演技だった。

Asami Enomoto
Asami Enomoto

 ミラノ・コルティナ大会は、坂本にとって最後の五輪である。昨シーズンの世界選手権を銀メダルで終えた直後の2025年春、新たなシーズンへ向けて、思いをこう表した。

「自分にとって、オリンピックシーズンは『総括する1年』になるのかなと思います。今まで頑張ってきた成果をこの1年で爆発的に発揮できるようにして、自分が望んでいる結果で終われたらな、と」

「総括」の言葉は、何かしらの決断をしていることを予感させた。その意味を明確にしたのは6月のことだった。今シーズン限りでの現役引退を表明したのである。

「めっちゃ、すぱっと決めました。『今やな』みたいな。'24-'25シーズンに『(五輪シーズンと)2年でひとくくり』と言ったときから、わりと気持ちを固めてはいました」

 決断した理由についても触れた。

「特にないんですけど、中途半端に2年とか3年やるよりも、これを区切りにした方が、やっぱりいいかなと思いました。次('30年フランス・アルプス五輪)を目指すとしたら、大会のときは29歳なので不可能かなというのを考えて。26歳になる年でいったん区切りをつけようかなと思っています」

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photograph by Asami Enomoto

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