#1137
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「重力がそこに存在していない」鍵山優真が持つ“3つの速さ”とは何か…ピアニスト角野隼斗が語る“日本のエース”の凄みとフィギュアスケートの奥深さ《2度目の五輪へ》

角野隼斗は鍵山のエキシビション用のオリジナル楽曲を提供
日本男子フィギュア界のエースとして挑む22歳は今季、自身2度目の五輪に向けてプログラムを一新。前例なきスケーターとピアニストの“二重奏”はミラノの舞台で、どのような音色を奏でるのか。(原題:[世界的ピアニストとコラボ]鍵山優真「3つの速さを生かすために」)

「北京五輪からの4年で、僕のフィギュアスケートの価値観や考え方は大きく変わりました。4年前はやっぱりジャンプの割合が大きかった。でもアーティスティック・スポーツとして、見る人たちの心に一つの作品として残る演技をすることが大事だと思うようになりました」

 22歳になった鍵山優真は、2度目の五輪シーズンを自身への問いかけからスタートした。'24年全日本選手権で優勝し、名実ともに日本男子のエースになったものの、その重圧からスランプも経験した。4年前の五輪のように無我夢中で挑むのではなく、自らが求める演技を思い描いた上で、それを実現させなければならない。

「4年前は先輩たちの背中を見ながら、オリンピックを楽しみました。羽生(結弦)君は、常に勝利を求めて完璧に勝つ姿が行動に出る理想の『ザ・アスリート』。(宇野)昌磨君は皆で切磋琢磨して強くなるということを率先して体現して、今のスケート界をつなげてくれた人です」

 その上で、自分に目を向ける。

「昨シーズンは『エースはこうならなきゃいけない』という姿があるものだと思っていました。でも、自分の中で色々考えて解釈していったら、今はナチュラルに自然体で、胸を張って、やってきたことをパフォーマンスに出すことが大事だと思えるようになりました」

Asami Enomoto
Asami Enomoto

 固定のエース像に近づこうとするのではなく、自然体でこそ自分の強さが発揮できる。そのスタンスが見えると、今度は五輪本番の姿を具体的に計画していった。もともと鍵山はイメージトレーニングを大切にし、本番の演技だけでなく、大会全体の行動を思い描くことで、その姿を具現化させる手法を大切にしているのだ。

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photograph by Yuji Ueno / eplus/Asami Enomoto

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