#991
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「血と汗と涙の積み重ね」ネイサン・チェンが語ったイェール大学での“文武両道”とスケーターとしての伸びしろ《独占インタビュー/2019年》

昨シーズンは名門イェール大学に進みながら、GPファイナル、世界選手権でともに2連覇を達成。文武両道の王者として進化を続ける20歳が、スケートを続ける目的と、自身が描く未来像を明かした。(初出:Number991号 [独占インタビュー]ネイサン・チェン「スケートに学ぶ人生」)

 11月1日からグルノーブルで開催されたGPシリーズ・フランス杯で優勝し、その2週間前のスケートアメリカと合わせて無事に2連勝を遂げたネイサン・チェン。男子ではいち早く、GPファイナル行きの切符を射止めた。

「結果はもちろん嬉しいけれど、完璧な内容ではなく、まだまだ進歩させていきたいところがたくさんあります。でもGPファイナル進出が決まって、嬉しく思います」

 こう本人が言ったように、グルノーブルでは細かいミスもあったものの、フリーで4度の4回転を降りて総合297.16を獲得。初戦のアメリカでは総合299.09と、安定したレベルを保ってきた。

 コネチカット州にあるイェール大学で寮生活をおくり、カリフォルニアのラファエル・アルトゥニアンコーチに遠距離指導を受けながら競技スケートを続ける。この特殊なトレーニング環境に入って2年目だが、大会に向けての調整に苦労している様子はない。その秘訣は、どのようなことなのか。フランス杯の最終日、本誌の独占取材に応じたチェンは、こう語り始めた。

「夏休みの間は、カリフォルニアに戻ってトレーニングを集中してやりました。それで今季また一人で自主トレを続けていく新たな基盤を築いて、一歩成長できたかなと思っています」

 具体的に、どのような部分に集中してトレーニングをしたのか。

「4回転はあまりやらなかったです。それよりも基本に立ち返って、ラファエルからこれまでに学んだ技術を、基礎から確認していきました。ジャンプも簡単なものから改めてさらっていき、しっかりと基礎を自分の筋肉に記憶させていったんです」

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photograph by Nobuaki Tanaka

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