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「抜きどころを事前に把握して」元F1ドライバー・中野信治が教える“観戦術”①フリープラクティス編「オーバーテイクはチェスのような知的な戦い」
2025/06/21
時速300kmの世界をどう見れば、より楽しむことができるのか。サーキットの特徴、ドライバー同士の駆け引き、タイヤ戦略まで。元F1ドライバー中野信治が、中継をもっと深く味わうためのコツを「フリープラクティス」「予選」「決勝レース」の順に伝授する。まずは「フリープラクティス」編。(原題:[テクニカル解説]中野信治が教えるF1超観戦術(1) FP1でチームの立ち位置が見えてくる。)
CIRCUIT & FREE PRACTICE
レースウイークがやってきたら、まず注目してほしいのがサーキットのオーバーテイクポイントです。オーバーテイクというと「抜く瞬間」に目が行きがちですが、実はその2つ、3つ前のコーナーから駆け引きが始まっています。だからこそ、抜きどころを事前に把握しておくことで、F1の攻防をより深く楽しむことができるのです。
基本的に、オーバーテイクのチャンスが生まれやすいのは、DRS(空気抵抗低減システム)が使える長い直線と、ストレート後の長いブレーキングゾーン。DRSは検知地点で先行車との差が1秒以内だった場合に使用でき、トップスピードの差を活かした追い抜きを狙えます。またブレーキの時間が長いコーナーでは、踏み始める位置の違いが顕著に出るため、オーバーテイクの機会になり得ます。つまり、オーバーテイクは単なるスピード勝負ではなく、状況を読み、目前のブレーキング勝負に向けてポジションやライン取りを整える、チェスのような知的な戦いでもあるのです。
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photograph by Takashi Shimizu
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