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【F1】2025年覇権争いでマクラーレンが“盤石”である理由「ピアストリを優先、ノリスに…」《追走するレッドブル、フェラーリ、メルセデスの内情も》

現在F1を席巻するマクラーレンとオスカー・ピアストリ
今季のグランプリシーンは、パパイヤイエローの軍団が力強く引っ張っている。若き2人が火花を散らす名門に楔を打ち込むライバルは出てくるのか。シーズンのこれからを占う。(原題:[2025年の覇権争い]盤石のマクラーレンと追走する3チーム レッドブル/フェラーリ/メルセデス)

 2025年のF1は、マクラーレンが無類の強さを見せている。アイルトン・セナやアラン・プロストが'80年代末に乗っていた、あのマクラーレンである。

 当時は赤白の塗り分けでお馴染みのマシンであったが、今はオレンジ色のカラーリングに変貌を遂げた。このオレンジ色はパパイヤイエローと呼ばれており、チーム創設者であるブルース・マクラーレンの母国ニュージーランドのナショナルカラー。実はマクラーレンとしては、こちらの方がオリジナルなのである。

 ただマクラーレンは、ミカ・ハッキネンとデビッド・クルサードを擁した1998年を最後に、長くタイトルから遠ざかっていた。近年では低迷に拍車がかかり、2015年からはF1復帰を果たしたホンダとセナ・プロ時代以来のタッグを組んだものの、浮上のきっかけを掴めなかった。'23年の時点でも、開幕2戦で無得点、序盤8戦を終えても獲得ポイントはわずか17という体たらくであった。

 しかし投入した大規模アップデートが成功し、9戦目から突然表彰台圏内を争うポジションに浮上。昨年はドライバーズタイトルこそ逃したものの、ふたりのドライバーが安定してポイントを獲得し、3連覇を狙ったレッドブルを差し置いてコンストラクターズチャンピオンを獲得した。実に26年ぶりのことであった。

ドライバーズランキングの1位と2位を分け合っているピアストリ(右)とノリス(左) Jay Hirano
ドライバーズランキングの1位と2位を分け合っているピアストリ(右)とノリス(左) Jay Hirano

 最下位から頂点へ――。まさにスバルラインを経由せずに一直線で富士山を登頂するような、2年間にわたる急浮上劇。その強さは、今年になってさらに磨きがかかっている。どんな特性のコースでも速く、ランキング首位を独走中。しかも懸念されていたことを、ことごとく克服しつつある。

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photograph by Jay Hirano

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