#1122
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「バトル時、ドライバーは何を見ている?」中野信治が教える“超観戦術”③決勝レース編「F1の奥深さは、AIが導入されても“計算できない”ところ」

今季のモナコGPスタート直後。ノリスがタイヤスモークをあげながらも懸命にトップを守り、そのまま逃げきった
時速300kmの世界をどう見れば、より楽しむことができるのか。サーキットの特徴、ドライバー同士の駆け引き、タイヤ戦略まで。元F1ドライバー中野信治が、中継をもっと深く味わうためのコツを「フリープラクティス」「予選」「決勝レース」の順に伝授する。最後は「決勝レース」編です。(原題:[テクニカル解説]中野信治が教えるF1超観戦術(3) バトル時、ドライバーは何を見ているのか。)

RACE

 最終日はおよそ305kmを走る決勝レースです。スタートでは反応速度に加え、発進直後のホイールスピンのコントロール、そして1コーナーまでの位置取りが見どころになります。わずか数秒のあいだに多くのアクションが詰まっているので、できるだけ広い視野で、上位勢の位置関係に注目すると面白さが増すはずです。

 これはドライバーにとっても同じです。私はよく「見えている」と表現しますが、スタートがうまいドライバーは、必要以上に一点を凝視しないものです。スタートの緊張感のなかで集中力を保ちながら、刻々と変わる周囲の状況を把握し、最適なラインを選び取っていく。そうした判断を冷静に下せるからこそ、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)のようなジャンプアップが可能になるのでしょう。

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photograph by Getty Images / Takashi Shimizu

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