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「心の中はぐちゃぐちゃでした」個人戦敗退から…フェンシング・江村美咲と石川佳純が共鳴した「これこそが団体戦」の境地と「勝ちたいと思えない」不思議《対談連載》

2025/06/20
今回のゲストはフェンシング日本女子初の世界王者となり、パリ五輪の団体で見事銅メダルを獲得した江村美咲選手。トップを走り続けているからこそ生まれる悩みに対して、自らの経験に基づく石川さんのアドバイスの内容とは――。スペシャルな読者プレゼントもご用意しました。応募と詳細はこちらから。(原題:[石川佳純のあなたに会いたい]江村美咲 自分を受け入れて自然体で臨みたい(連載04))

石川 パリオリンピックの後もワールドカップやグランプリ大会などに出場されて、ハードな日々が続いているようですね。海外から帰って来たばかりだと聞きました。

江村 韓国のグランプリ大会を終えて一昨日、帰国したところです。

石川 お疲れの中、ありがとうございます。パリオリンピックは個人戦では3回戦敗退でしたが、その後の団体戦では銅メダルを獲得。私も会場で取材していましたが、本当に感動しました! 3位決定戦のフランス戦はどんな気持ちで臨んだのですか?

江村 正直なところ、個人戦では金メダルを狙っていたので、負けた後は全然気持ちが切り替わっていませんでした。団体戦のフランス戦でもまだ引きずっていましたね。形から切り替えてみようと笑顔を作って試合に入ってみたりしたんですが、心の中はぐちゃぐちゃでした。

石川 切り替えは大事ですけど、そんなにすぐには無理ですよね……。

江村 フランス戦ではアンカーを任されたんですが、途中41-40の1本差まで迫られたところでようやく開き直って、迷いなく得点を決められるようになったんです。

石川 私はリオオリンピックでシングルスの初戦で負けたとき、団体戦が始まるまでの4日間、ずっと部屋に引きこもっていました。江村さんは個人戦から団体戦までの間は何をして過ごしていましたか。

江村 4日ほど空いていたんですけど、個人戦ですごく体が重くてすぐに息があがってしまうような状態だったので、疲れない程度に軽めに練習は続けていました。そこでは手応えが悪くなかったので、団体戦は大丈夫かなという感触も少し掴めていたんです。まったく練習しない方がよかったのかもしれませんが、その勇気はありませんでした。体を動かさないととにかく不安で。

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photograph by Wataru Sato

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