
僕が世界のテニスツアーを本格的に回り始めた1988年。当時、ロシア(ソ連)からツアーに出てくる選手は少なく、その存在感はほとんど無に近かった。
だからこそ、ロシアの選手と対戦するときの印象は鮮烈だった。「氷のように冷たい」。まさに冷戦の空気をまとったような、感情を閉ざした佇まい。英語も通じず、観客からもどこか距離を置かれている、そんな存在だった。
でも数年後、世界が変わった。ロシアが“開かれた国”となり、欧州を拠点にして、グランドスラムで優勝する選手も現れた。その頃から僕は、彼らを“芯の強さと美しさを持った魅力ある存在”として見るようになっていた。
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photograph by Tamon Matsuzono
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