#1117
巻頭特集

記事を
ブックマークする

《インタビュー》「自分が恥ずかしくなりましたよ」三浦大輔監督が語る就任1年目の苦境とベイスターズの“逆境力”「選手にはベンチの顔色を見てほしくない」

2025/04/02
現役時代の通算成績は172勝184敗。横浜一筋に生きてきた指揮官は、誰よりも逆境を知り、逆境に耐え、「ナニクソ」とパワーに変えてきた。そのマグマが爆発したように日本一まで辿り着いたが、夢はまだ途中。心をひとつにした仲間たちと今季、どんな物語を描こうとしているのか。(原題:[指揮官インタビュー]三浦大輔「堪える力は、自分の強みです」)

「ベイスターズは逆境になぜ強いのか」

 その特集タイトルを聞いて思わず怯んでしまった。本当に、そうなのか。確かに昨年の後半戦、“勝ち切る覚悟”を打ち出してからの巨人とのクライマックスシリーズ、2連敗の逆境を撥ね退けたソフトバンクとの日本シリーズの強さは映画になるかと思うほど見事だった。勢いだけじゃない。完全に主導権が相手に渡ってからの徳俵での粘り腰と大逆転劇。この集中力は本物か。短期決戦だからじゃないのか。本当に逆境に強くなったのか。

「確かに、去年の日本シリーズを勝てたことで“逆境に強くなった”と言われることが増えましたけど、あの短期決戦の土壇場になって急に『よし、やるぞ』と言ってできるものじゃないですからね。逆境は昔からずっとありました。勝てなかっただけでね。そこで戦ってきた選手たちの気持ち、悔しさの積み重ねですよ。自分が監督になった最初の年、チームスローガン“横浜一心”を掲げました。皆が同じ熱量で気持ちをひとつにする。口で言うのは簡単だけど容易なことじゃないですよ。でも、“横浜一心”から4年の時間を掛けて、やっと日本シリーズで勝てるところまで辿り着いた。そういうことでしょうね」

 三浦大輔が監督になった2021年1月。最初に球団が打ち出したテーマが“横浜一心”だ。選手やコーチ、スタッフ、ファンの方すべてがひとつになるとき、本当の強さになる……だが、その年は6年ぶりの最下位という現実を突きつけられる。

全ての写真を見る -3枚-
会員になると続きをお読みいただけます。
続きの内容は…
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Naoya Sanuki

2

0

0

この連載の記事を読む

もっと見る
関連
記事