2024年9月11日、和田竜二騎手は調教師試験を受験していた。彼ほどの輝かしい実績を積んできている騎手であっても、この試験は超難関。この年度は東西で125人が願書を提出し、新規調教師の資格を得たのはたったの9人だった。
和田は試験日直前の週末の騎乗を休み、ねじり鉢巻で試験勉強に没頭してその日を迎えた。「手応えはあった」と振り返るが、残念ながら10月3日の合格発表に彼の受験番号はなかった。思いつきや付け焼き刃の受験ではない。1年も前から過去問題を取り寄せ、仲間内の勉強会にも通うなどの準備を重ねてきての臨戦だったのだが、筆記の一次試験で分厚い壁にバチンとはね返されるホロ苦い初挑戦となった。
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photograph by SANKEI SHIMBUN