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武豊も「それで負けたんだから仕方ない」…クロワデュノール、大阪杯制覇の裏にあったレース当日早朝の奇策と「気持ち程度の勇気」

2026/04/12
クロワデュノール Croix du Nord 2022年生まれ [父]キタサンブラック [母]ライジングクロス [生産]ノーザンファーム [馬主]サンデーレーシング [調教師]斉藤崇史(栗東) [通算成績]9戦6勝 [主な勝鞍]'25日本ダービー(GI) '26大阪杯(GI)
中東情勢悪化の影響もあり、3頭のGI馬による競演となった一戦。昨年のダービー馬は不安を打ち消すため異例のローテを組むと陣営の不安をよそに、3角からその豪脚ぶりを披露した。(原題:[春の中距離王決定戦]クロワデュノール「気持ち程度の勇気」)

「第70回大阪杯」(4月5日、阪神芝2000m、国際、定量、1着賞金3億円)は、今年がGI昇格10年目。満開の桜の下に過去最高のメンバーが集結して、節目に鮮やかな彩りを添えた。

 堂々と古馬中距離チャンピオンの座に就いたのは、1番人気に支持されたクロワデュノール(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎、父キタサンブラック)だった。

 凱旋門賞14着、ジャパンカップ4着と、昨秋に痛い連敗を喫したクロワデュノールには、水面下でクリスチャン・デムーロの起用が取り沙汰されていたが、最終的に鞍上に収まったのは北村友一。彼自身が乗り替わりの気配に気づいていないはずはなく、追い切り日に行われた共同会見でも「たくさんの方々がつないでくださった継続騎乗だと思いますし、感謝の気持ちを忘れずに挑みたい」と、その複雑な心境を吐露していた。それだけに、1着の枠場に引き上げてきたときの表情はまさに安堵。まずは「ホッとしました」の言葉が出たのは本音だったに違いない。

 斉藤調教師は、休み明けのクロワデュノールに残っている太め残りの感触を最後まで気にかけていた。GIレース恒例の追い切り後の水曜の計量が、前走時から14kg増の526kg。その数字以上に、斉藤は太いと感じていた。

レース当日の早朝、坂路で乗り込み

 そこでなにをしたかといえば、レース当日の早朝、馬運車に乗る前に坂路で乗り込みをすることだった。「(4ハロン)73秒程度ですから、気持ち程度(の負荷)です」と振り返ったが、斉藤の調教師としてのキャリアで初めてやったこと。40年の取材経験がある筆者も、このルーティーンは聞いたことがなかった。結果がいい方に出なかったら批判必至。それでも、やれることはすべてやろうと考えた斉藤の勇気に勝負の神様が微笑んでくれたということだろう。

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photograph by Photostud

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