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「イシカワ時代が始まる」石川祐希、ペルージャで踏み出した第一歩…熾烈な「ポジション争い」と司令塔ジャンネッリの判断《セリエA開幕戦現地レポート》
イタリア中部の山間にある古都ペルージャのアレーナ「パラ・バルトン」のコートは、3色のイタリアンカラーに彩られている。世界最高峰リーグ、セリエA王者にのみ許される特権だ。
9月最後の週末、'24-'25シーズンのセリエAがイタリア各地で開幕を迎えた。王者クラブの初陣を見逃してなるものかと地元の老若男女に加え、日本やアジア圏のファンも数多く駆けつけている。いよいよコートにスターティング6の名が轟く。
「ヌーメロ・クアットルディチ!(背番号14) ユーキ! イシカーワー!」
アレーナDJが今夏入団した日本代表キャプテンの名をコールすると、ほぼ満員のスタンドからひと際大きな歓声が上がった。
昨季“スクデット”と呼ばれるリーグ優勝を6年ぶりに果たしたペルージャは、2つの国内カップ戦と世界クラブ選手権も制覇、国内外の主要タイトル4冠を達成した。
'22年世界選手権MVPのイタリア代表主将でセッターのシモーネ・ジャンネッリと同代表ミドルブロッカー(MB)のロベルト・ルッソ、'23年欧州選手権優勝のポーランド代表アウトサイドヒッター(OH)のカミル・セメニウクらを擁するペルージャは現在、世界のトップクラブといえる。
会場を振動させる「ユーキ!」コールに後押しされ。
今季もセリエAの優勝候補筆頭とされるペルージャは、ホームでの開幕ゲームに昨季プレーオフ5位の難敵ベローナを迎えた。
石川祐希は王者の栄えある開幕スタメンに入った。コート後方で相手サーブを待ちながら、傍らのベテランリベロ、マッシモ・コラーチと頻繁にタッチを交わす。合流後わずかひと月少々でも、数年来ともにプレーしているかのようにチームメイトと馴染み、自然体で振る舞う。石川はセリエAで10年目、ルーキーや青二才の気分ではない。
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