戦後最年少かつ、W杯経験者による初の会長就任。現役引退後は海外でFIFAマスターを修了するなど、世界を知る男は日本サッカーをどう変革していくのか。就任会見で掲げた3つの目標を中心にひもといていく。(原題:[新会長のビジョン]宮本恒靖「人生ずっとサッカーとつながってほしい」)
東京・文京区内のビルに移転したJFAの新オフィス。職員のなかに交ざってフリーアドレスのデスクでPCのボードを軽やかに叩く人は、周りから「ツネさん」「宮本さん」と声を掛けられていた。
「あんまり会長とは呼ばれたくないので、そうしてほしいってみんなにお願いしているんです。会長室はありますが、専務理事のときと同じでなるべくみんなと一緒のほうが会話も何となく聞こえてくるし“この案件どうしましょう?”って直に相談にも来てもらいやすい。だって同じチームですから。結構、朝早く来て座るのでフリーアドレスが導入された当初はちょっと遠慮もあってか避けられていた感じもありましたが。やっと近くに座ってもらえるようになりましたね」
日韓、ドイツと2度ワールドカップに出場した元日本代表キャプテンの宮本恒靖が戦後最年少となる47歳で日本サッカー協会会長に就任してはや3カ月が過ぎた。同志社大学経済学部出身で引退後はスポーツ学の大学院「FIFAマスター」修士課程を修了。指導者としても古巣のガンバ大阪で育成、トップチームの監督も務めてきた。頭脳派であり行動派。あらゆる角度からサッカーに携わってきたJFA新リーダーの指針を聞いた。
「伸びしろしかない」女子サッカー拡大を目指して。
――それではこちらもツネさんと呼ばせていただきます。
「どうぞ、どうぞ(笑)」
――JFAは約200億円の予算を持ち、約270人の職員を抱えるという公益財団法人。そのトップとなった重みをどのように受け止めていますか。
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photograph by Takuya Sugiyama