清水エスパルスで6シーズン、ヨーロッパで13シーズン。38歳となった岡崎慎司は、多くの選手がそうしてきたようにJリーグに復帰することなく、ヨーロッパで選手としてのキャリアを終えた。
自分の成長のためにも決断した「ヨーロッパで監督をやろう」
――昨年の11月下旬に取材した際「来年引退するかもしれない」と話していましたね。
「当時はまだ決断してはいなかったけれど、ひざの怪我もあったし、同時に自分のなかで、『ヨーロッパで監督をやろう』という覚悟が決まったんですよ」
――昔から引退したら、高校サッカーの監督をやりたい、と話していた。
「母校の滝二(滝川第二高)の監督をやりたいと思っていました。ヨーロッパで戦ってきた人間が高校サッカーを指導することに魅力があったので、監督として高校サッカーからスタートしようと」
――経験を日本にフィードバックしたい。
「子どもたちにダイレクトに伝えたいと考えていました。でも、それって周りを成長させられるかもしれないけれど、自分自身はどうだろうかと考えたら、それほど大きく成長できないんじゃないかと思うようになったんです。日本で活動しながら『ヨーロッパでは、こうだった』という話をするのって、結局過去の話をしているだけじゃないですか? カッコイイとは思えなくなった。逆にヨーロッパに居て、『こっちへ来いよ』という立場のほうが良いなと」
――だから、まずはご自身も関わっているドイツ6部リーグのバサラ・マインツで監督をすることにしたんですね。
「はい。滝二の先輩でバサラ・マインツの代表兼監督だった方が、マインツ05の女子チームを指揮することになり、次の監督を探すタイミングだったので、運良く、すぐに仕事ができることになりました。サッカー選手を辞めて、自分が何者かわからない状態を過ごすのがイヤだったので、ありがたい話でした」
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