3月4日、ウエストハム戦でゴールを決めた三笘薫は、岡崎慎司や香川真司が持つプレミアリーグの日本人シーズン最多得点記録に並んでいた。そんな後輩の活躍を岡崎はある思いを抱えながら見つめていた。
「『プレミアリーグ日本人記録6得点』というのが取り上げられるたびに早く越えてくれと思っていました。実際、三笘にも直接言ったんです。『早く越えられるといいな』って。僕はいつも二桁ゴールを目標にやってきたわけだから」
岡崎の言葉からは、彼の矜持が伝わってくる。そして、4月1日のブレントフォード戦で三笘はシーズン7得点目を決め、遂に記録を更新した。
「やっと、ヨーロッパでもそれだけで勝負できる武器を持った日本人が現われた」
岡崎は三笘をそう評する。
「ブライトンは、両ワイドからドリブルで崩すのが攻撃のスタイル。そういうチームが欲している部分と三笘自身の特長とがピッタリと合った。彼はドリブルだけじゃなく、スピードもあります。あれだけ脚が速いのは、単純に羨ましい。僕も『もっと脚が速ければ』とか、『ドリブルができたら』といろいろ妄想してきましたけど……」
三笘と初めて会ったのは、'21-'22年に在籍したスペイン2部FCカルタヘナ時代。練習試合でユニオンSGと対戦したときだ。
「上手い選手だと思いましたね。同時にウイングバックだったから、もったいない使われ方をしているなと。それでも三笘はチームのタスクを果たしていた。今のブライトンでの三笘を見ていると、守備への戻り方やポジショニング、サイドバックとの連携などで、ユニオンでのウイングバックの経験が生きていると思います。ワールドカップでも守備ができて、攻撃でも力を出せることを示していた」
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