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「今は氷上より授業の時間が長い」“イェール大入学”ネイサン・チェンの文武両道が生んだ「史上最高の自分」<独占インタビュー/2019年>
2024/03/16
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GPシリーズ2戦を大差で優勝し、そのままの勢いでGPファイナルも優勝。羽生との直接対決で劇的な試合となった世界選手権翌日、独占取材に応じ、大きな環境の変化があった1年を振り返った。(初出:Number PLUS FIGURE SKATING TRACE OF STARS 2018-2019ネイサン・チェン 文武両道が生んだ史上最高の自分。)
3月23日、世界選手権男子フリー当日、さいたまスーパーアリーナは、羽生結弦の圧巻の演技が終わったばかりで、熱い余韻にまだ空気がざわめいていた。くまのプーさんのぬいぐるみで氷の半分が埋め尽くされたリンクの上に、次の滑走であるネイサン・チェンが登場する。大勢のフラワーガールズたちが、必死でぬいぐるみを回収していく中で、一人チェンだけが静寂の中にいて、黙々とウォームアップを続けていた。
「ユヅルの後で滑った経験は前にもあったので、プーさんの雨が降ってくることは予想していました。もちろん、ちょっと精神的に圧倒される感じはありました。でもこんな経験は毎日できるものではない。あれほどの観客が、このスポーツを熱狂的に愛しているのは驚くべきことです。そのエネルギーを肌で感じて楽しもうと思って集中しました」
ユヅルと試合に出られて、同じ表彰台に立ててすごく幸せ。
チェンのフリーは、シルク・ドゥ・ソレイユの振付も手掛けるサミュエル・シュイナールとアイスダンスコーチのマリー=フランス・デュブレイユが共同で振り付けた「ランド・オブ・オール」。
冒頭の4回転ルッツ、続いた4回転フリップをまるで3回転のように余裕を持って降りると、さらに二度の4回転トウループ、トリプルアクセルを含むフリーの演技を最後までノーミスで滑り切った。元々ダンスの基礎があるチェンだが、今季のプログラムを見るとスケーティングに伸びが加わり、肩甲骨からきれいに伸びる上半身の動きも、さらに洗練されてきている。
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photograph by Asami Enomoto