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「プログラムの密度が濃くなって…」“元4回転王”ブライアン・ジュベールが語るフィギュアの未来「ユヅの技術は世界一」<インタビュー/2020年>

2020年に取材に応じたブライアン・ジュベール
4回転はハイリスクとされた時代にあってなお、4回転にこだわった情熱的な演技で、人々を魅了し続けたブライアン・ジュベール。コーチとなった彼は、現在の男子フィギュア界をどう見ているのか。(初出:Number PLUS FIGURE SKATING TRACE OF STARS 2019-2020シーズン総集編[元4回転王が語る進化の軌跡]ブライアン・ジュベール「フィギュアの未来は明るい」)

 3月のタリン世界ジュニア選手権で、コーチとして現れたブライアン・ジュベール。彼が指導しているアダム・シャオ・イム・ファ(フランス)は、7位と好成績を収めた。

「アダムは技術的には前から能力が高かった。でもこのところ、自信がついてきたのです。そのうち今よりもっと本番で実力を発揮できるようになると思う」

 大会後、単独取材に応じてそう語り始めたジュベールは、2014年に競技を引退して6年になる。今ではすっかりコーチらしい貫禄が身についてきた。’07年世界王者の彼は、’06年ロシア杯のフリーで現採点システムになってから初めて3度の4回転を成功させた。当時「4回転王」と呼ばれた強いジャンパーの一人だった。

キャメルスピンよりも4回転トゥループのほうが楽だった(笑)。

「僕は(6点満点の)旧採点システムで育ってきたので、とにかくジャンプ、ジャンプ、ジャンプというトレーニングを受けてきたんです。実際のところ、僕にとってはキャメルスピンよりも4回転トウループのほうが楽でした」と苦笑い。選手として全盛期に旧採点システムから現システムへの移行を体験したジュベールは、実際ジャンプよりも、スピンのレベル取りに苦労していた。

2019.12.5 Grand Prix Final photo: Asami Enomoto
2019.12.5 Grand Prix Final photo: Asami Enomoto

「ジャンプに関しては、スピードも高さも恐怖心をもったことはなかったです」

 唯一の例外が3回転ルッツだったという。ジュベールは2度、ルッツのテイクオフで左のブレードが右足に突き刺さり、大きな怪我を負っている。

「スポーツは進歩していかなくてはならないもの、といつも思っていました。フィギュアスケートにおいて、最も顕著な進歩とはやはりジャンプをおいて他にないと思っています。だから、ジャンプにこだわりがあったのです」

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photograph by Nobuaki Tanaka

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