特別増刊
Special Feature
記事を
ブックマークする
「自分がやるべきことは自分の中にある」紀平梨花が深く見つめる“先生”と“ミスの原因”<独占インタビュー/2021年>
2024/03/01
日本とロシアの女子たちの戦いに注目が集まった今シーズン。全日本選手権でついに4回転サルコウを初成功させ、北京オリンピック出場枠を懸けて挑んだ世界選手権。そこで得た発見と、来季への青写真を18歳のエースが語った。(初出:Number PLUS FIGURE SKATING TRACE OF STARS 2020-2021シーズン総集編 [来季への構想を語る] 紀平梨花 「やるべきことは私の中にある」)
昨年夏から欧州に渡り、スイスを拠点に練習してきた紀平梨花。今季は12月の全日本選手権の1試合しか出ないまま、北京オリンピックの出場枠が懸かった大舞台、世界選手権に挑むことになった。
「今季は、モチベーションの作り方が難しい時期が続きました。昨季の世界選手権や今季のフランス杯のように『また試合がなくなっちゃうんじゃないか』とか、試合がなくて詰めた練習をできていないこととか、色々な思いが巡りましたが、なんとか諦めずに世界選手権まで辿り着いた、という感じでした」
諦めずに過ごせたのは、ステファン・ランビエルのチームの環境のおかげだった。
「ステファン先生は、たくさん模擬試合を作って下さいました。良い演技をした時はすごく拍手してくれて、鐘を鳴らしてくれるんです。でもミスをしたら、先生は無表情。後からジャンプのダメ出しをされます。やっぱり先生にノーミスしているところを見て欲しいと思って、頑張ることができました」
純粋にスケートを楽しむ気持ちも、少しずつ感じるようになった。
「先生たちといることで『積み上げていって完成形にもっていく』という過程が楽しいんだな、というのは感じるようになりました。また本当に良い環境で滑らせてもらえてるなと実感することが多いので、だからこそちゃんと成績として返してあげたいなとか、スケートに対しての感謝の気持ちとかを感じるようになりました。そしてスイスは、見渡せば美しい山々が広がっていて、心が和やかになるのも良いところです」
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Asami Enomoto