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「ダイスケはジャイロを投げている」本人は自覚なし?松坂大輔が迎えたMLBデビュー秘話~連載「怪物秘録」第38回~

2024/01/06
'07年2月18日から松坂の大リーグ生活が本格的に始まった。キャンプ地のフォートマイヤーズでの光景は新たな刺激に。そして開幕直後のロイヤルズとの一戦でデビューを果たす。

 メジャーリーガーとなった松坂大輔にとって、初めてのスプリングトレーニングが始まった。赤い帽子に赤いユニフォームはシーズン中のものとは違う。白地に“RED SOX”の胸文字が入った伝統のユニフォームはホームゲームの開幕戦まで人目に触れる機会はない、オープン戦では赤のユニフォームを着るのがメジャーの慣わしだと、松坂はそう聞かされていた。

◆◆◆

 でもオープン戦の最後のほうで、白いユニフォームを着たんです。公式戦で着る白のユニフォームはオープン戦では着ないと聞いていたので、そのとき、『えっ、今日、ホーム用のユニフォームを着ちゃうの?』と思いました。ということは、僕の心の中に、フェンウェイパークで初めて投げる試合で初めて白のユニフォームを着たいという思いがあったということですよね。そういうメジャーならではのこだわりを楽しみにしていた自分に、ちょっと驚きました。

 スプリングトレーニングの前にユニフォームの採寸をしたんですが、それはシーズンに備えてのことで、スプリングトレーニングの間はむちゃくちゃたくさんある中から自分に合うサイズのユニフォームを探して着なくちゃいけなかったんです。僕が選んだズボンが太ももに合わせるとウエストが大きすぎて緩いんですよ。練習中にズボンが下がって来るんじゃないかと思って、気になって仕方ありませんでした。とにかく渡されるものが赤ばっかりで、赤い帽子をかぶって赤いユニフォームを着ている自分にはなかなか慣れませんでしたね。

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photograph by Kiichi Matsumoto

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