昨年3月に競技引退を発表し、プロスケーターとして国内外で活躍している宮原知子さん。今年10月には、プロアマ混合戦のジャパンオープンで“一日限りの復帰”をして話題になった。
「出場を決めたのは7月末でした。『もう試合には出ない』と思っていたのですが、ショーを経験するうちに『もう一度、試合の難易度のプログラムをしたら、どんなことを感じるのかな』と好奇心が芽生え始めた頃だったので、直感で決めました」
8月は、ステファン・ランビエルのスイス合宿に参加した。
「もともとは、気楽にスイスを楽しむ気持ちだったのですが、試合の出場が決まって、超強化合宿になりました。プログラムも、忙しい合間を縫ってステファンが振付けしてくださることになり、『ロミオとジュリエット』に。ステファンの振付けは、1つ1つの動きに、場所、時間、感情やイメージがあって、彼の中にある構想を形に落とし込んでいくプロセスを垣間見ることができました」
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photograph by Asami Enomoto