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【箱根駅伝】金栗四三、無欲の情熱家が蒔いた“ひと粒の種”…第1回大会「青年団を立たせて、かがり火を焚き」の原風景

2023/12/15
illustration by Hattaro Shinano

 金栗四三は、日本のマラソン史、オリンピック史の「第一章」に記されるべきランナーである。五輪初参加の1912年(明治45年)、ストックホルム大会でマラソンを走ったのは東京高等師範生の金栗だった。暑さと悪路で疲労困憊となり、市郊外で倒れ込み、農家に介抱されている。レースの翌日、金栗は日記に無念の気持ちをこう記している。

《大敗後の朝を迎ふ。終生の遺憾のことで心うずく。余の一生の最も重大なる記念すべき日なりしに。しかれども失敗は成功の基にして、また他日その恥をすすぐの時あるべく、雨降って地固まるの日を待つのみ。人笑わば笑へ。これ日本人の体力の不足を示し、技の未熟を示すものなり……》

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