激しい競り合いが必至のゴール下では、この男がキーマンになる。日の丸への熱き思いを胸にフロアを駆け抜け、3Pシュートを沈める――。修士号を持つ帰化選手は自信を覗かせながら、W杯への決意を口にした。
中国がNBA選手のカイル・アンダーソン(ミネソタ・ティンバーウルブズ)をメンバーに入れたように、ごく一部の強豪国を除くと、アメリカからの帰化選手は代表チームが成功を手にするうえで欠かせない存在になっている。
日本も例外ではない。4年前のワールドカップでは、ニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)が日本国籍を取得したことにより、ホームでオーストラリアを破るなど4連敗からの8連勝で予選を突破する原動力となった。
東京五輪後に男子日本代表のヘッドコーチとなったトム・ホーバスは、献身的なプレーとハードワークが持ち味のルーク・エヴァンスを帰化選手として代表に招集していた。しかし、今年2月にジョシュ・ホーキンソンが日本国籍を取得すると、2月23日に行われたW杯予選のイラン戦から早速起用した。
ホーキンソンは身長208cmのビッグマンだが、機動力とシュート力を兼備している。NCAAディビジョンIのワシントン州立大時代には、3年連続で一試合平均10本以上を記録するなど、リバウンドでも大きく貢献できるのが強み。
日本代表デビューとなったイラン戦では、23分28秒の出場時間で17点、11リバウンド、4アシストを記録し、日本が96対61で大勝する要因になった。ホーバスHCはイラン戦後にこう語っている。
「ジョシュのデビューは素晴らしいものだった。彼は3ポイント、ダンク、フローターなどで得点できる。パスもすごくいいし、それがイランに大きなダメージを与えたと思う。ディフェンスを読む能力も高い」
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photograph by Kiichi Matsumoto