「チラ見の吉田、と呼んでいたんです」
そう明かすのは敦賀気比の東哲平監督だ。今年3月のWBCで世界一に導いた吉田正尚が高校球児だった頃、コーチとして指導した指揮官は、冗談交じりに言う。
「アイツ、オンとオフがめっちゃはっきりしています。たとえば、ティー打撃1000球でも僕が投げる時だけ、真剣に打つ。チラチラ、僕の顔を見ているんです」
準決勝のメキシコ戦で同点3ランを放った救世主がみせた、若かりし頃の愛嬌ある素顔だ。だが、ティー打撃でトスを上げると、東は吉田のすごみを思い知らされる。
「投げていて初めて怖いと思いました。スイングの迫力とか、打球が当たったらケガするんじゃないかって」
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photograph by JIJI PRESS