今季のスペインの移籍市場で最もスマートな補強をしたと評価されるのが、乾貴士が所属するベティスだ。
2強やバレンシア、アトレティコのように1選手に高額を投じるのではなく、複数の実績のある選手を獲り、着実にチーム力を引き上げている。乾に始まり、レアル・ソシエダからはセルヒオ・カナーレス、スポルティングからはウィリアム・カルバーリョを、最終日にはPSGからジョバニ・ロセルソらを補強し、特に中盤は質、量ともに大きくレベルアップした。
上層部と現場の一体感も感じる。移籍市場が閉鎖される数日前に練習場を訪れると、キケ・セティエン監督と補強面の実権を握るセラ・フェレール副会長がチーム状況についてピッチの上で真剣に話し合っていた。時折笑顔を見せる両者の関係は良好で、フェレールは攻撃的なスタイルを貫くセティエン好みの選手に特化し補強を進めた。集ったのは後方から繋いで攻めていくという、指揮官の考えに合致する技術の高い選手たちだ。リーグ序盤はやや躓いたが、戦力的には十分上を狙えるため、ファンの間ではCL出場圏内を狙うべきという強気な意見もある。
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photograph by Daisuke Nakashima