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アンフィールドのキャプテンは、勝利も敗北も知っている。~ジェラードの自伝の赤裸々っぷりに驚く~

2016/05/12

 スティーヴン・ジェラードの自伝は、今となっては稀有な「ワン・クラブ・マン」の最後の2年間を描きながら、彼がイングランドで積み上げた勝利と栄光のキャリアを振り返る1冊である。

 リバプール市内の道端で毎日ボールを蹴っていたジェラードは、8歳の時に合格した育成組織からリバプール一筋。'15年にクラブを去るまで、710試合を戦い抜いたのはご存知の通りだろう。移籍市場における選手の売り買いが、「チーム愛」とは別の側面でしか語られなくなって久しいが、彼の最新自叙伝はフットボールが人情と同居していた最後の世代の、実に正直な告白であるともいえる。

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photograph by Wataru Sato

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