その準備の周到さは、驚くべき精度だった。2014年のブラジルW杯を勝利したドイツ代表。そのチームを長年率いるヨアヒム・レーヴに関する本で、あなたは試合結果という「見える部分」が、どれほどの「見えない部分」に支えられているのかを知るだろう。
ありそうでなかった初のレーヴ本『パーフェクトマッチ』。本書は「栄光なき選手時代」を経た彼がいかに指導者として覚醒していくのかを描く。そして、その始発点は意外にもスイスにあったのだ。
レーヴの分岐点は、故郷の森で受けた電話。
レーヴが現役時代の晩年に所属したスイス2部のシャッフハウゼン。そこのロルフ・フリンガー監督や、革新的サッカー理論をレーヴに教えこんだ現ドイツ代表スカウトの「名教官」ウルス・ジーゲンタラーなど、スイス式のシステムがレーヴ独自の戦術理論の基盤になっていることがまず明らかになる。
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photograph by Wataru Sato