#859

記事を
ブックマークする

不評を覆し良馬続出のハービンジャー産駒。 ~キングジョージ優勝馬の血脈~

2014/08/30
8月の新馬戦で1番人気に応えたフローレスダンサー。母ダンスインザムードはGI2勝。

 種牡馬の実質的なデビューは、例外なく初供用から3年後。初産駒が競走年齢に達するまでの短くない期間で、評価は乱高下するのが常だ。不世出の種牡馬の名をほしいままにしたサンデーサイレンス('02年没)でさえ、生まれてきた子供の多くが一見力強さが足りない後駆の形(専門用語で、飛節の折りが深すぎる、と言われた)をしていたことを突っ込まれ、不評を招いたものだ。

 ハービンジャー(牡8歳、英国産、9戦6勝、父ダンシリ、母の父ベーリング)は、'10年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(英国アスコット競馬場、芝12ハロン、GI)をレコードで圧勝。しかもアイルランドダービー馬のケープブランコ、英国ダービー馬のワークフォースらに11馬身という、同レース史上最大の着差をつけた名馬で、レーティングは史上5位の135ポンド。フランケル、シーザスターズと並ぶ、近年の欧州トップスターだった。これほどの馬が初供用から日本に来たのは、キングジョージのあと左前脚の管骨を折る重傷を負ったことと、2400mより短い距離での実績がなかったこと。欧州の生産界でも「重たそう」と思われた馬が、日本の軽い馬場に適性が見込めるかどうかについては、当然のこととして賛否両論があった。

特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by NIKKAN SPORTS

0

0

0

前記事 次記事