#849
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<代表ゼロキャップの秘密兵器> 川又堅碁×中山雅史 「ストライカーはゴールで己の道を切り拓け」

2014/03/20
日の丸を背負うことを夢見る新進気鋭のゴールゲッターに、
日本サッカー史にその名を刻むレジェンドがストライカーの心得を説く。

 いまのJリーグを見渡すと、代表入りに見合う力を持っているはずなのに呼ばれていない選手が思いのほか多い。その大半は「元代表」だ。記憶の濃淡に差はあっても、その選手の青いユニフォーム姿をなんとなく頭の中で思い描ける。しかしその中でひとり、A代表のピッチに立ったことも、招集の声すら掛かったこともない選手がいる。

 新潟の川又堅碁である。昨季得点ランク2位の23得点を記録。無骨にして豪快、ゴールの匂いを嗅ぎ取れば負傷の危険も顧みず体ごと投げ出す。そんなプレーを観ると、往年のあのストライカーの勇姿とだぶらせてしまう。

「僕もずっと気にかけていますよ」

“本家”中山雅史はそう言った。

「堅碁の魅力はゴールへ真っ直ぐ向かっていくところ。常にゴールを目指すことで敵の守備が堅碁に集中し、他のプレーヤーが生きることにも繋がる。プレースタイルは僕に似ている部分もあると思いますよ」

 ストライカー同士の対話によって、他にも意外な共通点が明らかになっていった。

“ごっつぁんゴール”だって、すべて必然なんだ。

川又堅碁 Kengo Kawamata
1989年10月14日、愛媛県生まれ。'06年、特別指定選手として愛媛(J2)でJリーグデビュー。'08年に新潟入団。'10年、半年間ブラジルに留学。'12年に岡山へ期限付き移籍。J2で18ゴールをマーク。昨季新潟に復帰し、得点ランク2位となる23ゴールを挙げた。183cm、75kg。

中山 初めて会ったのは、去年の夏かな。

川又 東京でお会いして。

中山 いろいろ話したよね。FWの動きであったり、練習に臨む姿勢や、プレスのかけ方、パスを受けるときの体の向きとか細かいところまで、ストライカー全般にわたる話。

川又 自分も同じように思っていたので、安心したというか自信になりましたね。

中山 俺は、その歳で気付いているのか! って感心しきりだったよ(笑)。

川又 印象深かったのは、「偶然なんてない、すべて必然だ」ということですね。ゴール前でいいポジショニングを取ってて、いわゆる“ごっつぁん”ゴールってあるじゃないですか。ああいうのが決まると「運がよかったね」って言われがちですけど、僕からしたら「ここに来る!」と信じている。もちろん来ないときもあって、むしろ来ないほうが多いけど、諦めずに何回も走り込みを繰り返してゴールを決めることができれば、それはもはや偶然ではなく必然だ、ということです。

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photograph by Mami Yamada

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