アジアカップで優勝を果たし、震災後はいち早くチャリティーマッチを開催。
海外へ移籍する選手はますます増え、そしてなでしこは世界の頂点に立った。
数々の偉業を成し遂げたこの年を、日本サッカーの発展を担う司令官と共に振り返った。
これ以上のシナリオは、おそらく作れない。
日本代表がアジアを制し、なでしこジャパンは世界の頂点に立った。若年層でも男女ともに成果をあげた。協会創立90年の節目となる2011年は、世界でもとびきりの成功を収めた1年と言って差し支えないだろう。
実り多き1年を、日本サッカー協会の小倉純二会長とともに辿っていく。
1月29日 | AFCアジアカップ優勝 |
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3月29日 | 東日本大震災復興支援チャリティマッチ |
5月17日 | コパ・アメリカ出場辞退 |
6月29日 | FIFA U-17 W杯ベスト8進出 |
7月17日 | 女子W杯優勝 |
8月4日 | 松田直樹選手逝去 |
9月8日 | 女子フル代表ロンドン五輪出場決定 |
11月11日 | 男子フル代表W杯最終予選進出決定 |
23日 | AFC年間アワードで日本が9部門受賞 |
12月3日 | 柏レイソルがJ1優勝 |
FIFAブラッター会長が語る、なでしこが起こした“革命”。
――2大会ぶりのアジアカップ優勝で、'11年は幕を開けました。
「優勝はしたけれど、紙一重でしたね。韓国との準決勝はPK戦で、決勝戦も延長戦までもつれた末の勝利ですから。女子W杯にも同じことが言えます。準々決勝が延長戦で、決勝戦はPK戦へ持ち込まれている。粘り強く諦めずに戦い続けたからこその成果ですが、運が味方してくれたところはあるでしょう。慢心しちゃいけないですよ」
――そのギリギリの戦いを制したところに、成長を読み取ることもできます。
「女子の優勝については、FIFAのブラッター会長が褒めてくれましてね。『過去のW杯は、アメリカやドイツのように大型選手を擁する国が結果を残してきた。今回の日本は小柄でありながら、個々のスピードと素早いパスサッカーで、これまでにない女子サッカーの部門を確立した。革命を起こした』と」
日本の女子サッカー人口を増やすために必要なこと。
――試合後に選手たちが掲げた、震災支援への感謝を示すバナーは印象的でした。
「FIFAには色々とルールがあって、最初は試合前の練習の時だけ許可されていたんです。でも、試合後にもバナーを掲げてみたところ、じゃあ『次からは試合後もいいよ』となった。男子のU-17W杯でもビーチサッカーW杯でも、同じように挨拶ができて。FIFAの大会で、世界へ向けて御礼を伝えられたのは良かったなあと思います」
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