ネルシーニョ・柏監督の試合後の記者会見を聞いていて、おやっ、と思ったのは、今季なかごろのことだっただろうか。ポルトガル語で話すブラジル人監督の言葉のなかに、「キリカエ」という日本語が聞き取れたのだ。
はじめは、聞き違いかとも思った。だが、その後の会見でも「キリカエ」は何度も出てきた。念のため、通訳を務める公文栄次に尋ねてみると、やはり「最初に覚えて、日本語で言うようになった言葉です」とのことだった。
練習中にも「キリカエ!」の声は飛ぶというから、会見用ではない。工藤壮人が「監督が重要視していて、選手に一番伝えたいことなんだと思う」と話すように、あえて日本語で口にする唯一の単語は、すなわち、指揮官が目指すサッカーには何が不可欠かを示している。
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