あまりに突然だった。8日、メジャー屈指の強打者、マニー・ラミレスの現役引退が、メジャーリーグ機構から発表された。通算19年間で555本塁打、2574安打、1831打点など、輝かしい記録を持つ名選手の進退が、自らの口からでも、所属球団のレイズからでもなく、事務局からほんの5行の文章でリリースされたこと自体、異例だった。
レイズに移籍した今季、開幕から5試合でわずか1安打。打撃不振は明白だったが、引退の直接的な理由は、薬物使用だった。機構側の発表などによると、春季キャンプ中の薬物テストで禁止薬物の陽性反応が検出された。ラミレスはドジャース時代の'09年にも薬物使用で50試合の出場停止処分を受けた前歴があるため、2回目は100試合停止の厳罰を避けられず、本人が現役引退を受け入れたのだ。「寝耳に水」の一報に、レイズは「驚きと失望を禁じ得ない」との声明と、この件について今後は一切コメントしない意向を発表した。
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photograph by Yukihito Taguchi