「勝負はゲタを履いて、家に帰って風呂に入るまで分かりませんよ」――昨年亡くなった長嶋茂雄さんから聞いた“名言”の一つだ。
そんな勝負の怖さ、野球の持つ予測不能のゲーム性を印象づけられることが多いのが高校野球である。甲子園大会史上、最も壮絶な戦いと語り草になっているのが、2006年の夏の大会、準々決勝の智辯和歌山対帝京戦である。
7回が終わった時点で8対2と智辯和歌山のリードは6点。しかし8回に2点を返した帝京が、9回表に一挙8点を奪って12対8と大逆転した。しかしこれで終わらないのが高校野球だ。智辯和歌山の最後の攻撃。帝京投手陣の制球難につけ込み、走者をためると3ランと適時打で同点に追いつく。最後は満塁から押し出し四球でサヨナラ勝ちを収めたのである。
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photograph by Hideki Sugiyama
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