青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
大地震に直面する日本に向けて……。
石川遼はゴルフを通じて希望を届ける。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byAP/AFLO
posted2011/03/18 10:30
世界ゴルフ選手権シリーズ第2戦となるキャデラック選手権での石川遼。初日は7アンダーの2位と好発進だった石川だが、結局、通算1オーバー42位タイに終わった
「ゴルフをしてていいのか」と池田勇太も葛藤した。
国内のスポーツが軒並み中止となっていようとも、米ツアーは当然のことながらスケジュール通りに進行していく。
石川と同じ大会に出場していた池田勇太も複雑な思いでラウンドを重ねていた。
「ここでゴルフをしてていいのかという気持ちは、正直なところあるけども、それはもうしょうがないこと」
東北福祉大出身の池田にとって仙台は大学時代を過ごした思い出の場所。「自分には(出身地の)千葉と仙台しかないから辛い」と第二の故郷を思って苦しんでいた。
石川にも消化しきれないものがあった。
「プレーは絶対にしなきゃいけないと思っていた。でも“しなきゃいけない”と思った時点で普段とは絶対に違っている」
為末選手のブログで気づいた「自分たちにできること」。
果たして他のアスリートはどういう思いでいるのか。
再びインターネットを開いた石川は為末大のブログを見つけた。
「アスリートにできる事」というエントリーには、アスリートに向けたメッセージが書き込まれていた。その中身は、被災者の救援はその道のプロに任せ、自分たちはいつかスポーツで希望を与え、影響力を発揮する時のためにも本業に集中すべきというもの。自らの思いを後押ししてくれたような内容に石川は深く共感した。
「今すぐ日本に戻っても現場に駆けつけることもできないし、助けるプロフェッショナルや物資を運ぶプロがいる。だからこそ、僕も自分たちにできることをやろうと思いました。普段はスポーツの素晴らしさを見せる立場にいる人間として、それを変えることなく、この瞬間もやり続けるしかない」