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今季の阪神を牽引するのは若虎軍団!?
世代交代を予感させる若手の大躍進。
text by
小関順二Junji Koseki
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2011/02/27 08:00
2月13日、ヤクルトとの練習試合に登板した榎田は、1回無安打無失点と好投を見せた
2年目を迎える秋山拓巳の投球フォームは進化していた。
2年目を迎える秋山拓巳は昨年よりテークバックを大きくしていた。昨年は頭に近い高い位置で、リストを返すようなやり方でテークバックをしていた。今は腕がセンター方向に伸びる形でテークバックが行われ、良い意味での“後ろのスケール”が出てきた。もちろんテークバックは大きければよいというものではなく、むしろ小さくヒジを回し、体の陰に隠れるような位置で行うことが良いとされている。よって、秋山の昨年の小さ“過ぎる”テークバックはあくまでも変則ということ。そこから大きく変え、さらに完成型をめざす途上にいるのだろう。
ベテランにも少し触れると、22日のブルペンで、榎田と並んで投げていた久保康友は圧巻の304球を投げ、アッと言わせた。下半身が主体となって上半身を前に持って行き、腕を振るのは最後のリリースの瞬間だけというピッチングの理想を、榎田や鄭凱文(台湾人選手・3年目)に見せつけていた。この技術が若手に引き継がれるようなことになると、阪神投手陣はさらに強力になるだろう。